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LIVEが終わった後の昂りは、振ったスノードームのようです。 そして、底に積もった雪を眺めるようにしてLIVE REPRTを書いています。
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5/10
MILLION RED FEVER
at 仙台MaCaNa
(with:へきれき/hy-aline/キリマルカラー/as)

大正谷隆さんがバンドをやる!と聞いてから、遠方よりこっそり応援していたMILLION RED FEVER。本拠地関東を飛び出しての、初仙台LIVEです。
本音を言うと、こんなに早くまた隆さんに会えるなんて思っていませんでした。
隆さんのHUSH脱退から2年半は、なんだかモヤッとしていたけれど、それをすっきりさせる間もなく、あっという間に当日に。
それはそれで、心の荷物も軽くて良しとしよう。


二番手でMILLION RED FEVER登場。
まずはseから語らねばなるまい(笑)。
外国のアレな通販番組のようなやり取りが流れ始めて、笑いながらの待ち時間。
「ダイレクトテレショップ MILLION MIX」というシリーズらしいです。vo.g.の安藤匠さんが作っているそうです。
えー、商品は、MILLON RED FEVERとそのメンバーです(笑)。
MILLON RED FEVERを使った感想を3・4人が言うのだけれど、よくある通販のあんな感じですよ。
「新車みたいにピカピカに!」
「私、こんなに綺麗になれました!」(ダイエット)
とか。
MILLON RED FEVERって、何が何だかわからない…(笑)
その声も、男性女性あるのだけど、女性も男の人の声(笑)。匠さんなのかな?
で、気になるお値段は、
「たったの2円!」
2円!!!!!
買っちゃうよ?!

いよいよメンバー登場。
ですが、ダイレクトテレショップまだ続いていて、
「○○に役立つ大正谷隆!!」
という風に、一人ひとりにセールスポイントがありました(笑)。
取り扱い簡単で~とか、そんなセリフもあったかな。

こんなんだったものだから、もう、手を叩いてお迎えですよ。拍手とも違う(笑)。だってみんなひーひー笑ってるんだもん(笑)。


3人は、えんじ色っぽい細身のスーツで衣装を合わせていました。
隆さんは、派っ手なシャツとネクタイで!
登場の時、その派手さにわたしは一瞬「うわ!」ってなった、かどうかは謎(笑)。
b.の野村昌則さんも、目立つ感じのネクタイでした。シャツは黒だったかな。
vo.匠さんは他二人とはちょっと違って、ジャケットの前は全部開けて、黒いタンクっぽいのをインに着て。
首には、大きなギターがトップの、シルバーチェーンのアクセをジャラリとかけていました。
肩くらいまでの長髪にテンガロンハットを被って。
落ち着いた感じの二人に対して、ワイルドな印象でした。



曲と曲順は不確かですが、

myself
MURASAKI
セルフカウンセリング イン マイ バスルーム
サクラ・ストリーム(表記不明)
call me(表記不明)

後でCDを買ったので、曲名は後で知ったものです。


『myself』
「君」という歌詞が多く聞こえて、その度に匠さんはこっちを指差してくれた。
ストロークの合間に向けてくれるその指先は、一人ひとりに向けられているようで、そこから何かを受け取ったような気がした。なんか、強くて大事なもの。

サビでは、匠さんの先導でわたし達も腕を上げる。
その部分、初めて聴く曲なのに、鼻もげらだけど気付いたらハミングしてた。その位楽しかった!


『MURASAKI』では、「赤と青の感情が」という歌詞が聞こえた。後でCDを見て、だから「MURASAKI」なんだなと思った。
のだけれど、歌詞にはその他にも言葉遊びがあって、今もCDを聴くのが楽しいです。
匠さんの歌声は荒っぽくて、やっぱりワイルドだなぁ。
この曲の野村さんのベース、高低のあるうねりにヤラレました。腰にきた。
最後の演奏が短くて、歯切れが良くかっこよかったです。


「みんなは、お風呂で、自分と向き合うような事、思った事ない?」と匠さん。
あぁ、あるようなないような。意識的にはないかも…
「俺はそうなんだけど」と付け足す。
始まったのは、『セルフカウンセリング イン マイ バスルーム』。
それまでが楽しくってワイワイ!な感じの曲とそのバンドの印象だったので、この『セルフカウンセリング~』で一転、じっくり曲に浸る。

曲が終わって、しっとりな曲だったものだから、シーンと静まってしまう会場内。
その雰囲気に身を捩るように、ぐるっと歩き回る匠さん。
そしたら…モニタからシールドのプラグが抜けてかけて、それをおもむろにぐぐっとはめる。
匠さんのその行動と、会場の静かな雰囲気に、ついに吹き出したのは隆さんでした(笑)。
「今、笑ったろ?!」と、しっかり拾う匠さん。
拾われた隆さんは、「くすっ」(はっきりとした発音で)
その後隆さんのする話の語尾に、「くすくすっ」というのが付いた。
という事で、仙台でのキーワードは「くすくすっ」で、いかがでしょうか?(笑)


「(桜の季節は)少し前に終わっちゃったけど」と、匠さんが言って始まったのは『サクラ・ストリーム』
まさに。
周りに明かり一つ無い真っ暗闇に浮かぶ桜。
強く吹く風に、桜の花びらが川の流れのようで。
その轟音と桜の花びらに、巻き込まれてました。

また、巻き込まれてしまいたいな。


『call me』。最後はまた、楽しく体の動く曲。
サビの「コールミー」で、匠さんと一緒に腕を上げる。
演奏の合間に動きを示してくれているので、いつも忙しそうです(笑)。
でもいつも、今にも笑い出しそうな笑顔でした。



3ピースでの隆さんのドラムは、聴きなれていた今までの音とはまったく違う印象で。
これまでの印象は暗闇の奥から迫ってくるようだったのだけど、MILLION RED FEVERでは、すぐ、本当にすぐ側で聴こえて。いや、実際目の前なんだから当たり前なのだけれど。
例えば目をつむって聴いて、見える景色がね。
それは、3ピースだからこそでもあるのかなぁ。音が見えやすくなるのかもしれない。

どんなバンドかも、どんな曲かもわからなくて、頼れるのはたった今目の前にある瞬間の音とメンバーだけで。それがすっごく楽しかった。
びっくり箱みたいに、開けた瞬間楽しい音楽がいきなり飛び出してくるんだもん!
最初に「心の荷物も軽くて良しとしよう」と書きましたが、本当に、手放しで楽しめました。感傷やモヤッとした事なんて、全然なかった。一切必要がなかった。


書いている今は、すでにMILLION RED FEVERを2回観ています。
初めて観たときの期待や希望ではなく、これは確信です。
「わたしは、MILLION RED FEVERに出会えて、幸せです」



今回のイベントで、わたしはもう一つ、衝撃的な出会いをしました。
へきれきというバンドに。

この時は、『ベランダ』というミニアルバムを引っさげて47都道府県ツアーをしていて、その仙台公演でした。
いろいろ詳しく知ったのは、へきれきのLIVEを観た後でしたけれど。
フロアの後ろに大きな横断幕が貼ってあって、これまで回ってきた会場でお客さんに書いてもらったたくさんの寄せ書きがありました。
へきれきがmy spaceをやっていて、そのmy spaceから送られてきたものだそうです(メンバーさんもびっくりだったそうです)。
全都道府県ツアーなんて過酷な旅をしているへきれきへ、なんだか特別な気持ちで書いてしまいますよね、きっと。アンケートとはまた違って。

seはジャマイカンな感じで、「ガンバ、ガンバ、ガーンバ♪」っていうの。バンドのカラーが、まったくわからない(笑)。

最初に、vo.gt.小竹さんが話をする。
「アーケード内の銭湯に行きました。(こんな街中に銭湯なんてあるんだ!!)そしたら、そのスジの人がいっぱいいました。gt.の遠藤君は、僕を置いて逃げました。僕はその、スジの人に「いい目をしている。うちに来ないか?」と言われました。(!!)そんな僕らは、こんな曲をやっています」
素直で、穏やかな浮遊感で、ふわっと笑顔でいられる、そんな音楽でした。
いや、そんな、そっちの世界に誘われるような、そんな音楽じゃ全くありませんよ(笑)。

小竹さんの歌声は、裏声のような、ふわーっとした声で。
b.小沼さんの可愛らしい歌声と絡むと、またなんとも言えないゆらゆらとした浮遊感に包まれます。
子供って、大人になると失われる、独特で不思議な感性があると思うのですが、小竹さんの声からはそのようなものを感じました。

『陽情の春』が、一曲目だったでしょうか?
全くの初めて観るバンド、初めて聴く曲なのに、その歌詞の風景が自分でもびっくりするくらいくっきり浮かんでくるのです。

   遠くへ行きたくて 借りたのはレンタカー
   車も走り出す 助手席に夢のせ

わたしのイメージは夕方だったのだけれど、田舎の一本の道を走っていく車がどんどん小さくなっていく。そんな情景でした。


「次、ベースの子が歌います」と小竹さんが言って始まったのは『ラムネ物語』。
小沼さんと同じ音程で、小竹さんも歌う。
小沼さんて、小柄で華奢で、笑顔もとっても可愛くって、なものだからベースが大きく見えて、さらに可愛らしく見えるv
「女性ベース」というカテゴリがありますが、好きなんです、わたし。

曲は夏の恋の歌で、

   恋しちゃってしょうがないね

という歌詞があるのですが、「なんか、夏だし、しょうがないよね」「暑さのせいにしちゃおうか」なんて気持ちになってしまいます。
この歌の歌い手は男の子なんだけど、こういう歌詞の歌を女性が歌うというのが、いいなって思いました。
二人がメロディーを歌う中、dr.中村さんのラップ(ナカムラップ)が重なるところも、ゆるっとしつつも複雑に絡まる感じでした。


遠藤さんのギターが、とても不思議な音で。どっから出てくるんだろう?って、小竹さんと遠藤さんのギターを、じーっと見比べていました。
金属音のような、でもやわらかい感じで、声のようでもあるし…うーんうまく言えないけど…。
歌声とギターと曲調が、へきれきの不思議空間を作っている大部分なんじゃないかなと思います。


「あなたの恋のリズムは、何色ですか?」
唐突で突拍子もない小竹さんの質問に、一瞬面食らってしまいましたが、
「あ、わたし、このバンド好きになる」
そう感じたのは、この時でした。
聞いた事のない日本語ですが(笑)、ふわぁーっと想像しました。「恋のリズムの色」。

2・3人に聞いた後、曲が始まる。
今アルバムを全部買いましたが、へきれきの曲の中で一番好きになりました。サビが特に。

    青リズム 赤リズム 黄色リズム 緑ズムでリズム

「お経のように」と小竹さんは言っていたけれど、こういうメロディの繰り返し、好きなんです。
曲の前質問した時のわたしの予感は、ばっちり当たりました。


最後の曲の前に、小竹さんのギターの弦が切れてしまう。
弦を張っている間も、小竹さんはゆっくりと話をし、他の楽器隊も静かにBGMを奏でていて、トラブルのように感じなかったです。

「お待たせしました」と小竹さん、笑いながら。
静かなギターで始まる『ベランダ』。

「赤い電車」という歌詞が聞こえて、中央線かなぁなんて思ったりしてた。
数少ない、東京に遠征に行った時、八王子に住んでいる友達の部屋に泊めてもらっていたので、中央線て思い出があります。
こういう、作っているほうは全く意としていないんだけど、人それぞれにある思い入れと曲が重なる事って、けっこう大事だと思うのです。自分にしかない鍵を見つけるような。

この『ベランダ』をみんなに伝えたいと、やることになったツアー。最後を歌う前、演奏が止まって、小竹さんはこんな事を言いました。
「バンド名も、僕たちの名前も覚えなくていいです。これから歌うとこだけ、覚えていってください」
どれだけ、この曲をわたし達に伝えたかったかと、へきれきにとって大切な曲かと、これから大切な曲になり得るかと、いう事。

    空には綺麗な月が浮かぶ  退屈な毎日を繰り返すよ
    泣いたり笑ったり君に会えたり
    素敵な世界だって思うんだよ

    例えば 君に伝えたいこと あふれる胸の言葉で一つ
    最後の方で辿り付いたよ 照れくさいけど素直に言うよ

    ありがとう


(でもやっぱり、バンド名も名前も覚えてもらうに越した事はないと思う(笑)。)


この後わたしは、へきれきの山形公演も観に行き、その後もこのツアーファイナルまでをネットなどで追っていきました。
音楽って、伝えたい事って、手に取れないもので。
このご時世、伝えようと思えば音楽はどんどんお手軽にばら撒けるし、手に入れられるようにもなってきているのに。車に楽器だけを積んでさ、自分たちの足でその土地行ってさ、一本一本お客さんを前にステージに立って、手に取れなくてでもずっしりと重みのあるそれを、力いっぱいわたし達に手渡そうとしている。
一番大切で、とっても難しい事をやっている。
もちろん、多くの人々に手軽に聴いてもらう手段も必要な事だけど。
バンドの違いはこういう活動や想いによっても出てくると思うし、わたしは、こういう活動をしているたぶん多くのバンドには、がんばって欲しいと思っています。



これからのわたしにとって、大きな存在になるだろうなって思えるバンドに二つも出会えた、夜でした。

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